すべり症とは
すべり症とは、腰の椎間関節が壊れてしまった場合に起こる症状です。
要するに、椎間板の異常によって骨がズレてしまう症状をすべり症といいます。
通常、腰椎は第1~第5まで綺麗に並んでおり、そう簡単にズレることはありません。
しかし、先にも述べたように椎間関節が異常を起こしてしまうと、綺麗に並んでいた腰椎がズレてしまいます。
すべり症は『前方すべり症』と『後方すべり症』に分けられますが、ほとんどの場合前方のほうが多いといわれています。
また、すべり症にはいくつかの種類があります。
それは、分離すべり症・変性すべり症などです。
非常にまれなケースでは、『形成不全性すべり症』という症状もあります。
しかしこの場合、生まれた時から脊椎に発育の問題をかかえている場合に起こるため、発症する確率は低いといわれています。
分離すべり症とは
分離すべり症は、腰椎分離症が原因で起こります。
関節突起の間が割れてしまい、背骨の後ろと前の部分が分かれてしまった状態を指します。
これにより連続性が絶たれ、椎体が滑ってしまいます。
それが、分離症によるすべり症です。
一方で変性すべり症は、手術が必要になります。
発生場所としては第4腰椎で起こることが多く、次いで第5・第3腰椎でも起こりやすいのが特徴です。
男性より女性に多く、閉経する50~60歳頃に発症するといわれています。
原因は、女性ホルモンの低下が挙げられ、女性ホルモンが低下することで骨粗しょう症になりやすく、骨粗しょう症が進行することで骨を支えきることができなくなり、変性すべり症になるといわれています。
多くの人は、このタイプが多く、年齢とともに腰の痛みを感じるようになった方、また50~60歳の女性の方は気をつけなければいけません。
分離症とすべり症のち外
分離すべり症という病名があるため勘違いされがちですが、分離症とすべり症は似て非なる病気です。
分離症は、いわゆる『腰椎分離症』を指します。
しかし、症状と原因は似ており、誤解をされる方は少なくないといいます。
腰椎分離症の場合、椎骨棘突起が折れ、腰痛を引き起こりますが、すべり症の場合椎骨が滑り痛みを引き起こすといわれています。
症状は似ていますが、根本的な原因は違いますので、きちんと理解して正しい治療を受けるようにしましょう。