肩甲骨のしびれに注意
肩甲骨はさまざまな上半身の動作に関わってくる部位ですが、背中に位置する関係上、あまり意識されない部位でもあります。
現代人は背筋が曲がっていて呼吸が浅くなっており、これらが関係して肩甲骨があまり使われなくなってきているとされています。
これにより、肩甲骨の周囲にある筋肉が固まり、血行が悪くなり、コリを抱えている方が多いです。
また、肩甲骨のコリはひどくなるとしびれを生じることもあります。
肩甲骨にしびれがあっても、日常動作に支障が出るというほどではないのでそのまま放ったらかしにしているという方もいるかも知れません。
しかし、肩甲骨のしびれは筋肉の緊張や血行の不良によって引き起こされているものが多いですが、一向に症状が改善しない、または悪化しているという場合、なんらかの重大な病気が隠されている可能性もあります。
内科疾患による肩甲骨のしびれの原因
肩甲骨は右と左、どちらにしびれが生じるかによって原因となる病気も変わってきます。
肩甲骨の右にしびれが生じている場合、肝臓、胆のう、十二指腸などにトラブルが発生している可能性があります。例えば、胆石症では右の肩甲骨の他、鳩尾、背中、腕などにもしびれが生じます。
肩甲骨の左にしびれが生じている場合、膵臓にトラブルが発生している可能性があります。左の肩甲骨のしびれに加え、腹痛などが同時に引き起こされている場合などは膵臓疾患が疑われます。
内臓疾患によらない肩甲骨のしびれの原因
肩甲骨のどちらかにしびれが生じていたとしても、必ずしも内臓疾患が発生しているというわけではありません。
例えば、右の肩甲骨のしびれは筋肉の酷使によって引き起こされることも多いです。
筋肉は使わなさすぎるのも問題ですが、使いすぎても問題が発生します。実際のところ、右投げや右打ちの野球選手などは右の肩甲骨が凝り固まって固くなっているという方も少なくありません。
また、右利きの方が単純作業を長時間続けたり、右半身を下にして横になって寝たりしても、肩甲骨には負担がかかります。右の肩甲骨にしびれがある場合、まずは生活習慣を見直してみるのもいいでしょう。
左の肩甲骨のしびれは姿勢の歪みと深い関わりがあるとされています。
普段、右手だけで鞄を持っていたり、椅子に座る時に足を組んでいたり、寝る時に体を横にしていたり、こうした生活習慣を長期間に渡って続けていると姿勢が歪み、重心が崩れ、肩甲骨の高さもアンバランスになり、左の肩甲骨にしびれが生じることがあるのです。
稀に左の肩甲骨のしびれは精神的なストレスによって引き起こされることもあるとされています。